2021年度のゼミ3期生は1年間の活動の成果をまとめ、2022年2月7日の活動報告会で発表しました。コロナ禍のなか対面で実施し、登録した45人のほぼ全員が参加し、東日本大震災の伝承と防災教育の大切さを共有しました。

 

 

発表した報告書の中で、ゼミ生がまとめた感想から、いくつか抜粋して紹介します。

〇1年生

今まで 3.11 は、わたしにとって関係のない歴史のような感覚でした。しかし、大学で東北に足を踏み入れ防災教育の講義を受けている時、知らなくてはいけないことだし、教員になるうえで伝えていかなければならない事だと感じました。そして、授業内で紹介されゼミに自らの意志で参加することにしました。ゼミ生の中には、震災を経験している人、親戚が経験している人、そして私と同じように関係のない生活を送っていた人。様々な人がいて、震災に対する考え方もそれぞれでした。一から学び、当時ニュースになった出来事は、3.11の一部にもならない事を知りました。

避難所運営のチームに入ったはいいけど、実際の避難所には行ったこともなく、想像も出来ませんでした。数か月かけて、少しずつですが当時の状況を知ることができました。トイレの問題が避難所生活の中で上位に来るくらい大切なことで、いち早くに解決しなくてはいけないと聞いたときは、とても驚きました。

このゼミを通して、日常的に使っているもの、当たり前に生活していることに対して幸せだと感じることができるようになりました。来年度も、避難所が少しでも快適な場所になるように考えていければいいなと思いました。

〇2年生

今年度も実際に原発被災地を訪れ、被災地の実情を知ることができた。昨年度よりも原発被災地に暮らす人々の声を聞けたように感じる。学校に戻ってからは富岡町出身の学生の方から、震災・原発事故が起こってからどんな経験をしてきたのか、そして今富岡で行っている活動、教員になって子どもたちに伝えたいこと等のお話をお聞きした。

これらの活動を通して、原発事故について関心を持ち、実際に被災地を訪れて現状を知り、考えること、そして継続的に関わっていくこと、自分の子の経験を伝えていくことの重要性を改めて実感した。原発事故、原発被災地に関心を持たない人、ひいては子どもたちの関心をどのように引き出していくのかについては、もう少し考える必要があると感じた。

また、私は福島県出身だが、高校生までは原発事故については難しいから触れない、触れてはいけないもののように感じてしまっていた。なぜそのように思ってしまっていたのか、今後そこを突き詰めて考えていきたい。

〇2年生

聴き取り調査を通して、震災についてまだまだ知らないことがあるということは自覚していたが、自分の想像より大変な思いをしている人が多く、東北で教師を行っていきたいと考えている自分にとって、とてもためになる話が多かった。

その中で、赴任してきたばかりで地域のことをまだわかりきっていない教師が誤った方向に子供を逃がそうとしているところを地域の方が声をかけ、安全で適切なほうへと誘導したため、無事に非難することができたという話があった。これを踏まえ、地域について理解するということ、地域と連携するということ、学校内で避難マニュアルのようなものを確立することが必要だと感じた。また、教師として今ある情報をもとにベストではなくても、ベターな選択をとれるようになりたいと感じ、そのためにも赴任する地域のことや災害が起きたときの知識などをしっかりと身に着け、現場に出ていければと考えている。

 

それぞれのグループの報告書は以下の通りです。

❶防災教育のポイントを探る

資料❶

❷震災10年になる被災地の実情を知る

資料❷

❸震災後の避難訓練の実態を調べる

資料❸

❹避難所になる学校の実情を調べる

資料❹

❺原発被災地の伝承と放射線教育の現状を調べる

資料❺