2022年度のゼミ2期生は一年間の活動の成果をまとめ、2021年2月3日の活動報告会で発表しました。コロナ禍の影響で、オンラインでの開催となりましたが、登録した35人のほぼ全員が参加し、東日本大震災の伝承と防災教育の大切さを共有しました。

発表した報告書の中で、ゼミ生がまとめた感想から、いくつか抜粋して紹介します。

震災から 10 年経つ現在でも心に傷を負っている人がたくさんいることを調査に参加する前には想像できなかった。受動的な情報では本当の状況を知り得ることは不可能などだと確信した。調査を続け、復興に関わること、そして教員として伝承していくことがとても重要だと感じた。今後は、調査に加え、復興の手伝いにも携わりたいと思う。私も含めて多くの人は想いがあったとしても個人的に詳しく震災を調べようと行動することは難しいと思う。その点でも宮城教育大学で 311 ゼミがあることはとても大事なことだ。この活動が広まっていけば、教員になる我々を通して、多くの人が震災の様子、被災地の現状を知ることに繋がると思う

防災教育に興味がありこのゼミに参加した3 つの講義を受けて防災教育といっても実験を通して防災を学んだり、防災の知識をもとに制作物を作ったり、避難訓練をしたりと様々な分野が存在することに気づいた。しかし、どの分野でも子どもたちが災害を自分のこととして考え、興味を持って取り組むことが実際の災害時に役に立つ知識や技能を身につけることができるようになるために重要だということがわかった。来年度は今年度学んだことを生かして、具体的な防災教育の内容について考えていきたい。

311 ゼミに所属したことによって、これまで自分の体験以外にはニュースや教科書でしか触れてこなかった原発被災の実態について学ぶことができた。調べ学習をする中で感じたのは、地元以外の震災の記憶が薄れてきているということだった。宮城県では原発事故のその後について触れられることは少なくなり、女川原発の話題以外で目にすることはほぼなくなった。だがしかし、視察に行った際には廃炉についての問題がニュースで流れ、また新聞でも一面記事になっていると聞いた。忘れてはいけない恐ろしい体験、繰り返してはいけない悲惨な大事故であったと我々はいっていたが、いつのまにか風化していたと痛感した。将来教員になろうとしている自分にとって、どのように原発事故のことを生徒に伝えていくか、またそれによってそんな生徒を育てたいか考える良い機会になった。

報告会の様子は河北新報が取材し、関連する記事が掲載されました。


■報告会資料データ

それぞれのグループの報告書とプレゼン資料は以下の通りです。

  • 分かりやすく防災教育のポイントを探る【資料❶
  • 震災10年になる被災地の実情を知る【資料❷
  • 震災後の避難訓練の実態を調べる【資料❸
  • 避難所になる学校の実情を調べる資料❹
  • 原発被災地の伝承と放射線教育の現状を調べる資料❺