311ゼミナールの第4期活動報告会を開きました

第4期活動報告会(2023年2月8日 宮城教育大学230教室)

2022年度のゼミ4期生は1年間の活動の成果をまとめ、2023年2月8日の活動報告会で発表しました。登録した58人のほぼ全員が参加し、東日本大震災の伝承と防災教育の大切さを共有しました。

 

発表した報告書の中で、ゼミ生がまとめた感想から、いくつか抜粋して紹介します。

◎1年生

私は311ゼミナールの活動で初めて自ら被災地に赴き、その土地でその当時のお話を直接聴くという経験をさせていただきました。震災当時は小学1年生で、地元の岩手県で体験したあの日の景色や衝撃の感覚は今でも覚えていますが、当時の記憶が徐々に薄くなりかけていました。聴き取り調査の活動でもう一度、2011年3月11日に思いを巡らせ、想像できないほどの悲惨な情景や心情を生の語りで聞き、学び、そしてつないでいこうと強く感じることができました。

私が強く印象に残っている言葉は「自分の身は自分で守る」です。この言葉は、聴き取り調査を行った中で、被災した人たちから何度も強調された言葉です。当たり前のことのように聞こえるかもしれないけれど、この当たり前がいかに難しいことなのか、お話を聞いていく中で痛感しました。自分の身を自分で守るということは、すなわち自分を信じてもらうことでもあります。「自分は逃げているから安心してあなたも逃げてください」という心のつながりのようなものがどんどん広がっていけるように、将来教員を目指す者として今後どう教育していく必要があるか、考えていきたいと感じました。

◎2年生

今年度からゼミに参加し、視察の経験を通じて、自分の避難訓練や防災意識を高められたとともに、自分が発信する側として子どもたちに伝えることのできる存在になりたいという気持ちをより強く抱きました。実際に被災地に足を運び、その当時をしっかりと生きていた児童生徒や、一分一秒を争う究極的な場面で、子どもたちの命を担い、判断を迫られる教師の生の想いに触れ、とても心が動かされました。そして、この事実を知っておくことの重要性や、それをこれからも語り継いでいく必要性を強く感じました。他人事としてではなく、いつ誰が被災するか分からないという不安な気持ちを抱きながらも、それを少しでも軽減させるために必要な知識や手段を知っておくことが重要であり、また時間の経過とともに、記憶が薄れてしまうというようなことから、震災があったことを風化させてしまうことのないように、教員一人一人の高い意識と、継続した避難訓練、防災教育が大事になってくると思いました。そのことを教員という立場で伝えていくために、様々な知識を得て、責任感をもって教え導く教師の仕事を全うしていきたいと感じました。

◎2年生

今年度から原発についてただ「知りたい」という思いを持ってこの活動に参加させていただ いた。メディアを通してではなく自分の目を通して見る景色や自分の耳を通して被災者の方から聞く思いというのは全くの別物であると感じた。実際に現場に足を運べる機会があったこと、 いろんな方と出会いに恵まれたことには本当に感謝しかない。東日本大震災について、この原 発事故について、子どもたちだけでなく、単に興味を持っていない人々にどうやってこの現状 を発信していけばいいのだろうか、何を伝えたらよいかはまだ決めることができていない。し かし、いつもの生活の片隅に被災地のことを思い浮かべ、今回学んだことについて考え続けて いきたい。復興はまだまだこれからであるし、原発事故は決して忘れられてはいけない。

 

それぞれのグループの報告書は以下の通りです。

❶防災教育と教材グループ

❷被災地実情グループ

❸避難訓練グループ

❹避難所運営グループ

❺原発事故被災と教育グループ