宮教大機構が兵庫県南あわじ市のオンライン防災教育研修に協力

宮城教育大学「311いのちを守る教育研修機構」は7月31日、兵庫県南あわじ市教育委員会が実施したオンライン防災教育研修に協力し、東日本大震災の伝承と教訓の発信に取り組みました。南あわじ市は淡路島の南端に位置し、津波被災が想定されるため、市教委は東日本大震災の知見を活かした防災教育に力を入れています。例年通り、ことしも宮城県内の現地視察研修を予定しましたが、コロナ禍の影響でオンラインに切り替わりました。機構が昨年から始めた全国教職員対象の311被災地視察研修に市教委の浅井伸行教育長が参加した縁などから、機構に研修講師の依頼がありました。研修には小中学校の教員9人ら13人が参加。午前の研修では、機構の斎藤幸男機構協力研究員が、元石巻西高校校長で震災時に避難所運営の最前線にいた経験をもとに「避難所運営の実際と教訓」と題して講話しました。縦割り組織で運営しがちな避難所の課題を挙げ、情報と活動が全体で共有できる「ウエブ型組織」を目指すポイントを説明しました。午後の研修では、武田真一特任教授が「震災に向き合うということ」とのタイトルで、まもなく発災10年を迎える震災の教訓を、教育現場で伝え継ぐために必要な視点について話しました。津波被災の中で児童生徒の避難を果たした岩手県釜石市鵜住居地区や宮城県南三陸町戸倉地区の事例を挙げ、「子どものチカラを生かした防災教育、地域を知る教員や住民と協働した備えが、児童生徒だけでなく地域の命を救うことになる」と学校内の防災を超えた取り組みの必要性を説きました。参加者からは「オンラインであっても、現地で視察、受講しているようなリアルな講話だった」「震災の経験に学ぶ意義は大きい」との感想が聞かれました。宮教大機構は今後も機会をとらえて、オンラインも含めた研修への協力、発信に努めてまいります。