震災に向き合った活動の成果を発表、共有しました/311ゼミナールの2023年度第5期活動報告会

2023年度のゼミ5期生が1年間の活動の成果をまとめ、2023年2月8日、宮城教育大学730教室で開かれた活動報告会で発表しました。

登録した70人のうち、約50人が参加し、「学校避難」「次世代伝承」「避難所運営」「原発事故被災と教育」「被災地実情」の5つのテーマにグループに分かれて、東日本大震災に向き合って手にした伝承の意義や防災教育の大切さを共有しました。その他、共通活動「ゼミ1期生の現職教員との語り合い」と2件の自主活動「沖縄・水俣視察」「南あわじユース防災プロジェクト」も併せて、末尾にそれぞれの活動報告書を紹介しています。

会場には、避難所運営班が参加した南三陸町歌津中学校の避難所運営活動を指導する同中の佐藤公治先生、仙台市防災環境都市推進室の佐藤陽子主幹ら学外関係者も参観に訪れたほか、NHK、東北放送、毎日新聞から取材を受けました。

発表した報告書の中で、ゼミ生がまとめた感想から、いくつか抜粋して紹介します。

◎1年生

1年間の活動を通して、震災伝承に対するイメージが自分のなかでかなり変化した。わたしは、震災伝承に対して、次に起こるかもしれない災害の被害を最小限にするために被災経験を伝える、という認識を持っていた。しかし、伝承の方法も伝えたい内容も、それぞれ全く異なっていてもいいのだということを感じた。ただ、震災の恐ろしさを伝えても幼い子どもたちは考えることをやめてしまう。それぞれの震災伝承の方法で、相手に震災について考えるきっかけを何か少しでも与えることができれば、その人や社会の未来を変えることができるのかもしれないと改めて思った。

◎2年生

私は今の⾃分の学びや⾏動、日々の取り組み等が「たまたま」命を守ることにつながると信じ、学び考え続けていきたいと思った。また、教員を⽬指す⾝としては、「防災教育や災害時の対応は⾃分に任せてほしい」と⾃信をもって言うことができるくらい、防災・災害後の対応等についてもっと学んでいきたいと強く思った。

◎2年生

 私は東日本大震災を宮城県で経験してはいるものの、3.11ゼミナールに参加するまで、ニュースやドキュメンタリー番組で東日本大震災について知る程度でしか向き合ってきませんでした。ここまで全力で東日本大震災に向き合ったことがなかったため、とても役に立つ、学びが深まる活動でした。2年間ゼミ生として活動していく中で「自分の命を自分で守れる子どもを育てたい、子どもたちの行動で周りの大人の行動を促せる、周りの意識を変えられる児童を育てられる教員になりたい」と思うようになりました。東日本大震災を経験した私たちの代だからこそ説得力のある教育ができるのだと思います。

◎3年生

命を守ることに年齢の壁は無いということを学んだ。小学生・中学生・高校生・大学生・大人という幅広い年齢層が揃い、ともに活動していく中で、年齢関係なく全員が防災について熱量を持っている様子を目の当たりにした。そのような小中高生を見て、自分も既存のものに甘えてばかりではなく、自身で考え行動できる、行動していかなくてはいけないと思うようになった。自分がこれから行うことは、自分の防災知識を増やし、自分と出会う人々が防災・減災について熱心に取り組むきっかけを作りたいと思う。

◎4年生

私は積極的にコミュニティに加わる、作るタイプではないので、311ゼミで4年間活動したことは非常に大きなことであったと感じています。私1人では、災害防災への関心を維持し、どこかで話題としたりする機会をもつことや避難所運営活動に焦点を絞るといったことは難しかったと思います。 ここでの活動の経験が今後どう生きるか、また、今後311ゼミのような学びの場があるかは正直まだ分かっていません。ここで学んだことを少しでも生かし、よい思い出として振り返られればと思います。

それぞれのグループの報告書は以下の通りです。

❶学校避難班

❷次世代伝承班

❸避難所運営班

❹原発事故被災と教育班

❺被災地実情班

❻ゼミ1期生の現職教員との語り合い

❼南あわじユース防災プロジェクト

❽ 沖縄・水俣視察

(了)