大川小震災遺構、戸倉小跡地を視察/311ゼミナールの学生20人が参加/東日本大震災の被災現場を訪ね、学校防災と避難について学ぶ

防災教育研修機構(311いのちを守る教育研修機構)は10月21日、311ゼミナールの活動として、石巻市の大川小学校遺構、南三陸町の戸倉小学校跡地の視察を実施し、学校防災と避難成否の背景について教訓と知見を共有しました。

311ゼミに登録する1年から3年の学生20人が参加、大川小、戸倉小のほか南三陸町の防災対策庁舎遺構も見学しました。大川小遺構では、当時6年生だった次女を亡くした大川伝承の会共同代表の佐藤敏郎さんの案内で1時間にわたって津波被災の現場を視察し。その後1時間半、参加者全員が感想や質問を投げかけて佐藤さんと語り合いました。

宮教大OBでもあり元中学教員だった佐藤さんは、事前の備えや教職員間の確認もなく児童74人と教員10人が津波の犠牲になった大川小の出来事にきちんと向き合い、そこから「未来を拓く」ことの大切さを訴えました。さらに「学校は子どものいのちを輝かせる場所、教員はいのちを輝かせる素晴らしい仕事」と語り掛け、ゼミ生たちは「震災を伝え継いで、いのちを守り合える学校や社会づくりに取り組みたい」と応じました。

戸倉小跡地では、宮城県内で最も高い20メートル超の津波に襲われた地区を歩き、二度三度と高台の神社に避難を繰り返して児童が無事だった戸倉小の避難を追体験。被災前に校長を中心に教職員が津波対応を日常的に話し合っていた背景を確認し、事前の意識共有の大切さに思いを深めました。