国土交通省東北地方整備局と共同開発した防災教育動画で学校を支援

―亘理町逢隈小「ぼうさいの日」防災学習を通して―

宮城教育大学防災教育研究機構では、2019年度に連携協定を締結した国土交通省東北地方整備局と共同で、「新しい学習環境に適応した防災教育の実践」を課題とする研究の成果として「いのちを守る教員のための防災教育ブックレット増補版(動画教材活用編)」と「防災教育3分動画集DVD」を開発しました。2019年度に共同刊行した「いのちを守る教員のための防災教育ブックレット(風水害編)」の内容を補い、既存のデジタル教材の授業における具体的な活用案および東北地方整備局職員による風水害を中心とした10本の防災教育に活用できる動画教材を制作したものです。

2021年9月5日(日)、亘理町立逢隈小学校で実施された「ぼうさいの日」においてこれらの動画教材を放映し、国土交通省東北地方整備局防災室の方々をゲストティーチャーとして迎え、同校児童が防災学習を行いました。逢隈小学校「ぼうさいの日」は、<地震・津波避難学習><災害にいきる防災グッズづくり><水害について学ぼう>のパートからなり、このうち<水害について学ぼう>のパートにおいて、同機構と国土交通省東北地方整備局が協力をしました。

<水害について学ぼう>の授業では、東北地方整備局職員が近年増加する水害の特徴について児童に解説した上で、逢隈小学校の近くを流れる阿武隈川の増水について、児童とともに考える時間を設けました。開発した「防災教育3分動画集」のなかから、吉田川の堤防決壊時の映像を含む「風水害への備え~吉田川の堤防決壊~」および「土砂災害への備え~丸森町の台風情報~」を取り上げ、宮城県内の水害の被害や対策、水害・土砂災害への備えについて現地で東北地方整備局職員が解説をしている様子を児童と視聴しました。

企画した防災教育研修機構の林田由那講師は、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、校外学習等が制限されている昨今、専門家から現場で説明を受けているような臨場感を味わえる本教材等を活用し、新しい学習環境に適応した防災教育を工夫して進めていく必要がある」と話しています。