2008年岩手・宮城内陸地震災害について学ぶ/環境防災班が栗駒山で現地調査

岩手・宮城内陸地震は、2008年6月14日(土)8:43に岩手県南部の地下約 8 km で発生した、西南西―東南東方向を圧縮軸とする逆断層型の内陸地震です。本震はM=7.2、岩手県奥州市及び宮城県栗原市で最大深度6強を観測しました.この地震によって、死者17名、行方不明者6名、負傷者426名の人的被害、全壊30棟、半壊146棟、一部損壊2521棟の住家被害など、甚大な被害が出ました。地震によって栗駒山南東斜面に土石流が発生しましたが、斜面崩壊によって流路が駒の湯温泉付近で堰き止められた結果(土砂ダム)、駒の湯温泉の施設が土砂で埋まり甚大な人的被害につながりました。また、荒砥沢ダム上流部で斜面長1300 m 斜面幅 900 m という大規模な地滑りが発生し、道路寸断や林地荒廃が起こりました。

この甚大な山地災害を契機として、栗駒山麓地域で繰り返し起って来た河川災害を含めて災害の実態を記録し今後の防災に活かしていく機運が高まり、この地域の地形・景観を教育、学術研究、防災、観光などにも活用し、持続可能な地域づくりを目指す「栗駒山麓ジオパーク」が2015年に認定され、設置されました。311ゼミの環境防災班2名は、2025年9月6日に栗駒山麓ジオパークを訪問し、ジオパークの河合貴之専門員、原田拓也専門員から聞き取りを行い、学校や市民への防災教育においてどのような取り組みをしているか、2008年岩手・宮城内陸地震災害を次世代へどのように伝えているのか、などについて調査を行いました。地すべりなどの斜面崩壊や土石流への対策は、ジオパークではなく行政(栗原市や宮城県)が実施していることもこの聞き取りを通じて学びました。

聞き取りの後、荒砥沢地すべりの現場や多数の斜面崩壊で荒廃した冷沢流域の復旧治山事業の現場を見学し、土砂災害のプロセスや荒廃地復旧技術の一端を学ぶ機会となりました。また、栗駒山頂への登山口であるいわかがみ平では眼下に拡がる栗駒山の溶岩地形や迫川流域の河川地形を俯瞰し、地形発達・地形プロセス・山地災害・河川災害の関係について考える機会となりました。